育児休業給付金とは|基本をわかりやすく解説

育児休業給付金(育休給付金)とは、育児休業を取得した労働者が雇用保険から受け取ることができる給付金です。

仕事を休んでいる間も一定の収入を確保できる重要な制度で、日本の少子化対策の柱の一つです。

育児休業給付金の概要

2024年4月からは「育児休業等給付」として再編され、さらに2025年4月からは給付率の引き上げなど大きな改正が行われました。

特に男性育休に関しては「産後パパ育休(出生時育児休業)」の給付率が実質100%相当に引き上げられたことで注目を集めています。

支給額の基本は「休業開始から180日間は賃金月額の67%、181日目以降は50%」です。

さらに、育児休業中は社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除されるため、手取り換算では67%以上の収入を確保できることになります。

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受給条件の詳細確認

育児休業給付金を受給するためには以下の条件をすべて満たす必要があります。

①雇用保険の被保険者であること:正社員はもちろん、パート・アルバイト・契約社員でも週20時間以上働いており、雇用保険に加入していれば対象になります。

②育休開始前2年間に、賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あること:これが最も重要な条件です。

産休取得前の就労歴から算定されます。

③育休後に職場に復帰する意思があること:育休終了後に就業する意思が必要ですが、実際に復帰できなかった場合でも給付金の返還は原則不要です。

支給額シミュレーション

育休給付金シミュレーション

育休給付金の1ヶ月あたりの支給額は「休業開始時賃金日額 × 支給日数(30日)× 給付率(67%または50%)」で計算されます。

賃金日額は育休開始前6ヶ月間の賃金合計を180で割った金額です。

たとえば月給25万円の場合、1日あたりの賃金日額は25万円 × 6ヶ月 ÷ 180日 ≒ 8,333円です。

180日間(約6ヶ月)の給付額は8,333円 × 30日 × 67% ≒ 167,493円/月になります。

育休中は社会保険料が全額免除されるため、手取りで比較するとさらに有利です。

仮に月給25万円で社会保険料が約4万円だとすると、育休前の手取りは約21万円ですが、育休中の給付金は約16.7万円(67%期間)で、実質的には手取りの約80%の収入が確保できることになります。

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申請手続きのステップ

育休・給付金申請の流れ

育児休業給付金の申請は会社(事業主)を通じて行うことが一般的です。

ほとんどの場合、手続きは会社の人事・総務部門が代行してくれます。

まず、出産1ヶ月前を目安に会社の人事担当者に育休取得の希望を伝え、育児休業申出書を提出します。

産後は会社側がハローワークに「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」を提出する流れになります。

申請から約2〜3週間で指定口座に振り込まれます。

延長を希望する場合(子が1歳6ヶ月または2歳まで)は、保育所の不承諾通知書など延長理由を証明する書類を、子の1歳の誕生日2週間前までに会社に提出する必要があります。

この期限に遅れると延長できない可能性があるため注意が必要です。

非正規・フリーランスの場合の対応

非正規・フリーランスの育休と給付金

雇用形態によって受給状況が異なります。

パート・契約社員でも雇用保険に加入していれば受給資格があります。

ただし有期雇用の場合は、子が1歳6ヶ月に達する日まで引き続き雇用される見込みがあることが条件として加わります。

フリーランス・個人事業主は雇用保険の適用外のため、育児休業給付金は受給できません。

ただし、加入している健康保険の出産育児一時金(50万円)は受け取れます。

自治体によっては独自の支援制度(育休支援給付金など)を設けているところもあるため、お住まいの市区町村窓口に相談することをお勧めします。

パパ育休の最新制度(2025年改正)

パパの育休と給付金

2022年10月から施行された「産後パパ育休(出生時育児休業)」は、子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)取得できる男性向けの制度です。

育児休業と別に取得でき、2回に分割することも可能です。

2025年4月からは、産後パパ育休を28日間取得した場合の給付率が引き上げられ、手取り換算で実質100%相当(給付率80%+社会保険料免除)になりました。

これにより育休中も収入がほぼ変わらないため、男性の育休取得が促進されています。

政府は2025年の男性育休取得率目標を50%に設定しており(2023年実績:約17%)、企業側の研修・情報提供義務なども強化されています。

取得したくても職場の雰囲気が…という場合は、会社の産業カウンセラーや労働基準監督署に相談することも一つの選択肢です。

育休中の生活設計と注意点

育休中は収入が減少するため、事前の家計設計が重要です。

育休給付金は翌月後払い(2ヶ月分まとめて振り込まれることが多い)のため、産後すぐの数週間は給付金が入らない空白期間があります。

出産前に少なくとも3ヶ月分の生活費を貯蓄しておくことが安心につながります。

住宅ローンがある場合は銀行に「育休中の返済猶予」を相談できる場合があります。

また、育休中でも確定申告(医療費控除など)は忘れずに行いましょう。

育休給付金自体は非課税ですが、給与所得が年途中でなくなる場合には年末調整や確定申告で税金が還付されることがあります。

よくある質問(FAQ)

育休中に副業やアルバイトをしても給付金はもらえますか?

育休中に就業(アルバイト含む)した日数が支給単位期間(1ヶ月)の10日を超える場合や、就業時間が80時間を超える場合は給付金が支給されません。

産後パパ育休(出生時育児休業)については、事前に会社・労使協定で定めた範囲内での就業は認められています。

不明な場合はハローワークに確認しましょう。

双子の場合は給付金が2倍もらえますか?

いいえ。

双子でも給付金は1人分です。

ただし育休期間の起算日は「最後に生まれた子の誕生日」となるため、育休期間自体は実質的に1歳分を2人分まとめて取得できます。

また、保育所入所が困難な場合の延長申請も同様の扱いです。

育休を取らずに退職した場合はどうなりますか?

育休給付金は育児休業を取得した場合にのみ受給できます。

退職した場合は育休給付金は受給できませんが、雇用保険の「基本手当(失業給付)」について、育児を理由とした受給期間延長制度(最大4年間)を利用できます。

ただし失業給付の受給条件は別途あるため確認が必要です。