はじめに:GBS検査とは何か
妊娠後期になると、産婦人科で「GBS検査をします」と告げられることがあります。
「GBSって何?」「陽性だったらどうなるの?」と不安を感じる方も多いでしょう。
GBS(B群溶血性連鎖球菌:Group B Streptococcus)は、健康な人の腸・膣に普通に存在する「常在菌」です。
妊婦の約10〜30%が保菌していますが、ほとんどの妊婦本人には無症状です。
問題は分娩時。
赤ちゃんが産道を通る際にGBSに感染すると、新生児GBS感染症(肺炎・敗血症・髄膜炎)を発症するリスクがあります。
しかし、適切な予防措置で大幅にリスクを下げることができます。
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GBSとは:基礎知識
GBSが危険な理由
GBS保菌妊婦から生まれた赤ちゃんの約1〜2%が新生児GBS感染症を発症します。
感染した新生児の予後は、早期発見・早期治療が重要です:
- 早発型(生後24〜48時間以内):肺炎・敗血症・髄膜炎。治療なしの致死率は20〜50%、治療ありでも3〜5%
- 遅発型(生後1週〜3ヶ月):髄膜炎が主。後遺症(聴覚障害・発達障害)が残る場合がある
ただし、分娩時の予防的抗生剤投与によって早発型の約80%を予防できることが証明されています。
GBSスクリーニング検査はこのために実施されます。
GBS検査の方法と結果の解釈
検査の方法
妊娠35〜37週の妊婦健診で実施されます。
膣・直腸部分を綿棒で採取し、培養検査で判定します。
痛みはほとんどありません。
結果は数日後にわかります。
健康保険が適用されます。
陰性だった場合
GBSは保菌していません。
予防的抗生剤の投与は不要です。
ただし、GBSの遅発型感染は母乳や環境からの感染のため、陰性でも完全な安心はできません(こちらは予防法が限られます)。
陽性だった場合
GBSを保菌しています。
分娩が始まったら(または破水したら)、抗生剤(アンピシリン等)を点滴で投与します。
これにより早発型GBS感染症の80%以上を予防できます。
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GBS陽性の場合の分娩管理
重要なポイント
- 分娩方法は変わらない:自然分娩・無痛分娩・帝王切開いずれも選択可能
- 抗生剤の効果最大化:分娩4時間前から投与開始が理想的
- 帝王切開の場合:産道を通らないため新生児感染リスクは大幅に低下
- 産後の観察:赤ちゃんは生後24〜48時間、医療スタッフが注意深く観察
入院時に必ず「GBS陽性です」と担当医・助産師に伝えましょう。
バースプランにも記載しておくと安心です。
産後のケアと注意点
授乳について
GBSは母乳を通じた感染はほとんど報告されていません。
授乳・母乳育児は安全に行えます。
退院後に注意すること
遅発型GBS感染症は生後1週〜3ヶ月の間に発症する可能性があります。
以下のサインがあればすぐに受診してください:
- 38度以上の発熱
- 元気がない・ぐったりしている
- 哺乳力の低下
- 皮膚色の変化(黄色・青紫)
- 呼吸が速い・苦しそう
よくある質問(FAQ)
Q. GBS陽性は性行為でうつりましたか?
A. いいえ。
GBSは性感染症ではなく、腸内に常在する菌が膣に広がったものです。
パートナーに責任はなく、パートナーの治療も不要です。
Q. GBS陽性でも自然分娩はできますか?
A. できます。
GBSは分娩方法を変える必要はなく、抗生剤の点滴が追加されるだけです。
Q. 妊娠中に抗生剤で治療しないのはなぜですか?
A. 妊娠中に治療しても、分娩前に再び保菌してしまうため効果がありません。
分娩時の抗生剤投与が最も有効な予防法です。
Q. 次回の妊娠でもGBS陽性ですか?
A. GBSの保菌状態は変動します。
次回の妊娠でも同様に35〜37週で検査が必要です。
まとめ
- ✅ GBSは妊婦の約10〜30%が保菌する常在菌
- ✅ 妊婦本人には無症状。性感染症ではない
- ✅ 分娩時に赤ちゃんへの感染リスクがある
- ✅ 陽性でも分娩時の抗生剤投与で80%以上予防可能
- ✅ 分娩方法は変わらない(抗生剤の点滴が追加されるのみ)
- ✅ 入院時に必ずGBS陽性を伝える