「産後は実家に帰れない」「パートナーの育休が短い」「体力的にも精神的にもつらい」——産後すぐの時期は、多くのお母さんが想像以上のしんどさを経験します。
そんなときに頼れるのが「産後ケア施設」です。
2021年より産後ケア事業が全市区町村での実施努力義務になり、自治体補助を使えば格安でケアを受けられるようになりました。
この記事では産後ケア施設の種類・内容・費用・選び方まで詳しく解説します。
産後ケア施設の3種類|宿泊・日帰り・訪問
産後ケアには大きく3つの提供形態があります。状況に合わせて使い分けることが大切です。
① 宿泊型(ショートステイ)
産院・助産院・産後ケアホテルなどに数日〜1週間程度入院します。24時間スタッフが対応してくれるため、最もサポートが手厚い形態です。
赤ちゃんを預かってもらい「まとまった睡眠」を確保できることが最大のメリットです。
費用は1泊あたり2〜5万円が目安ですが、自治体補助後は2,000〜8,000円程度になることもあります。
② 日帰り型(デイケア)
産院・助産院などに日中だけ訪れ、授乳・育児指導・相談を受ける形態です。
上の子の送り迎えがある方や、夜は自宅で過ごしたい方に使いやすいです。
費用は1回あたり3,000〜1万円程度です。
③ 訪問型(アウトリーチ)
助産師・保健師・看護師が自宅に訪問してくれる形態です。外出が難しい産後すぐの時期に最も利用しやすいです。
授乳相談・育児手技の指導・産後うつのスクリーニングなどを自宅で受けられます。
費用は1回5,000〜2万円程度ですが、自治体補助で大幅に安くなります。
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産後ケア事業の公費補助
産後ケア事業は母子保健法に基づく公的サービスです。2021年の法改正により、全市区町村での実施が努力義務化されました。
自治体が費用の一部〜大部分を補助するため、通常は実費の数分の一の自己負担で利用できます。
補助を受けるための申請方法
- 母子手帳の交付時に、市区町村の子育て支援窓口で「産後ケア事業の案内」をもらいましょう
- 産後ケアの利用には事前申請が必要な自治体が多いため、出産前に手続きを確認しておくのがおすすめです
- 対象は出産後1年未満の母と赤ちゃん(自治体により異なります)
補助の金額・利用できる回数・対象施設は自治体によって大きく異なります。「産後ケア 補助 ○○市」などで検索するか、市区町村の母子保健窓口に直接確認しましょう。
産後ケア施設で受けられるサポート内容
産後ケア施設では、赤ちゃんのお世話のサポートだけでなく、お母さん自身の心身のケアも受けられます。
授乳サポート
母乳育児を希望するお母さんへの授乳指導は、産後ケアの中核サービスです。
「母乳が出にくい」「乳首が痛い」「赤ちゃんがうまく飲めない」など、授乳に関する悩みに助産師が直接対応してくれます。
乳腺炎(乳房が炎症を起こした状態)の予防・早期対処にも対応しています。
育児手技の指導
沐浴・おむつ替え・抱っこ・ゲップの出し方など、初めての育児で迷いやすい手技を助産師・看護師が実際に見せながら教えてくれます。
産後うつ・メンタルヘルスの相談
EPDS(エジンバラ産後うつ病質問票)などのスクリーニングを行い、必要に応じて専門家への紹介や継続的な支援につなげます。
「気持ちが沈む」「なぜか涙が出る」「赤ちゃんが可愛く思えない」などの症状がある場合は、一人で抱え込まずに相談しましょう。
体の回復確認
子宮の戻り(復古)・悪露の状態・会陰縫合部の傷の治癒・貧血の有無などをチェックします。
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産後ケアを利用すべきタイミング
「こんなことで産後ケアを使っていいのか」と遠慮してしまうお母さんもいますが、産後ケアはまさにそのような方のためにあります。以下のような状況では積極的に活用することをおすすめします。
- 授乳がうまくいかない:母乳が出ない・乳首が切れて痛い・赤ちゃんの体重が増えていないなど
- 産後うつのサインがある:涙が止まらない・眠れない・気持ちが沈む・赤ちゃんに愛情を感じにくいなど
- サポートしてくれる人がいない:実家が遠い・パートナーが長時間不在・里帰りができなかったなど
- 体の回復が遅い:悪露が長引いている・傷の痛みが引かない・立ちくらみがひどいなど
- 睡眠が取れていない:赤ちゃんの夜泣きで慢性的な睡眠不足になっている
産後1ヶ月は特に体も心も無防備な状態です。「少しでも辛い」と感じたら、迷わずサポートを求めましょう。
費用相場と自治体補助の計算
産後ケアの費用は種類・施設によって大きく異なりますが、自治体補助を活用することで大幅に安くなります。
「産後ケアホテル」と呼ばれる高級宿泊型施設では1泊5万円以上するケースもありますが、自治体の補助対象施設に限定すれば格安で利用できます。
補助の利用には事前申請と対象施設での利用が条件になるため、どの施設が補助対象かを事前に確認することが重要です。
「産後ケア+自治体名」で検索するか、母子手帳取得時に担当者に直接聞くのが最も確実です。
産後ケア施設の選び方
産後ケア施設を選ぶ際に確認したいポイントを整理します。
① 自治体の補助対象施設かどうか
補助を受けるためには、市区町村が指定した施設を利用する必要があります。どの施設が対象かは市区町村の窓口で確認しましょう。
② 助産師・看護師の常駐体制
宿泊型の場合は、夜間に助産師または看護師が常駐しているかを確認しましょう。夜間の授乳トラブルにも対応してもらえることが安心です。
③ 赤ちゃんを預かる夜間保育の有無
「ゆっくり眠りたい」という場合は、夜間に赤ちゃんを預かってもらえる施設を選びましょう。すべての施設が対応しているわけではありません。
④ 母乳・ミルク混合に対応しているか
「完全母乳を目指したい」「ミルクと混合にしたい」など希望がある場合は、施設の方針が自分に合っているかを確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 産後ケアはいつから利用できますか?
A. 多くの施設では産後すぐ(退院直後)から利用可能です。退院後すぐに体調が優れない・授乳がうまくいかないと感じた場合は、早めに利用することを検討してください。
利用できる期間は「産後1年未満」が一般的ですが、自治体によって異なります。
Q. 産後ケアはパートナーと一緒に利用できますか?
A. 施設によります。パートナーも一緒に宿泊・滞在できる「ファミリールーム」を設けている施設もあります。
「育児への不安をパートナーと一緒に解消したい」という場合は、カップル・家族での利用が可能か施設に確認しましょう。
Q. 産後ケアと1ヶ月健診は別ですか?
A. はい、別々のものです。産後1ヶ月健診は分娩した産院で受けるものですが、産後ケアは産後ケア事業を提供している施設で受けます。分娩した産院が産後ケアも提供している場合は、同じ施設で両方を受けられることもあります。
まとめ
産後ケア施設は「贅沢なもの」ではなく、産後の体と心を守るための公的サービスです。
自治体補助を使えば格安で利用できるようになった今、多くのお母さんが以前より気軽に活用できるようになっています。
「少しでも辛い」「サポートが必要」と感じたら、一人で抱え込まずに産後ケアを活用してください。
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